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コラム

コラム“IR窓まで隠す” IR印刷(赤外線透過印刷)技術によるガラスパネルの意匠性向上

2025年11月6日 

スマートフォンや車載ディスプレイ、家電製品などに使われるガラスパネルには、単なる保護材としての役割に加え、デザイン性(意匠性)や機能性が強く求められるようになっています。そこで注目されているのが、IR印刷(赤外線透過印刷)です。

IR印刷(赤外線透過印刷)の基礎

IR印刷(Infrared Printing/赤外線透過印刷)とは、可視光は遮断しつつ赤外線のみを透過させる特殊印刷技術です。通常の印刷では黒や濃色にすると光をすべて遮ってしまいますが、IR印刷では肉眼では黒やダークカラーに見えるのに、赤外線は通過するという特性を持ちます。
IR印刷では、赤外線を透過させる専用インキと、ガラスや樹脂などの基材に適した印刷構成を用います。一般的には黒、濃色であることが多いです。

ガラスパネルへのIR印刷

ガラスパネルへIR印刷を施すことによって、赤外線(IR)透過や反射の機能を必要な部分のみに選択的に付与できます。赤外線を通したい領域を限定的に形成できるため、センサー部や通信部など、用途に応じた自由な設計が可能になります。
さらに、IR機能層を印刷工程内で形成できるため、追加のコーティングや多層構造を必要とせず、軽量でシンプルな構成を実現します。
これらの特長により、ガラスパネルの外観デザインを保ちながら、高機能化・軽量化・省工程化を同時に達成することが可能です。

“IR窓まで隠す” 独自インキ&印刷構成技術

従来のガラスパネルでは、赤外線センサーやリモコン受光部専用に「IR窓」を設ける必要がありました。

ただし、このIR窓は周囲のデザインとは異なる色味や透明感が生じやすく、外観上どうしても“窓が浮いて見える”という課題がありました。特に高級感が求められる製品においては、「IR窓が見えてしまう」ことが意匠設計上の課題となっていたのです。

東洋レーベルでは、この課題を解決するために独自開発のIR透過インキと最適化された印刷構成を採用。これにより、IR窓を外観上ほとんど認識できないレベルでシームレス化することが可能になりました。

これまで黒意匠ベースのみでしたが、メタリックシルバー意匠や白意匠にも対応。
外観デザインを損なわずに、リモコンやセンサーが正常に機能する透過特性を確保できるため、

・建材関係やエントランスリーダパネル
・業務用機器や美容機器などの周辺パネル
・医療・産業用機器の操作パネル

といった幅広い分野で、シームレスなデザインを実現します。

ガラスパネル+IRセンサー+NFC認証+静電タッチによる用途可能性

さらに、ガラスパネルにIRセンサー・NFC認証・静電タッチ機能を組み合わせることでさまざまな新しい用途が広がります。

たとえば、エントランスリーダーではIRによる人感センサーとタッチテンキーによる操作、NFC認証を統合することで、シームレスかつセキュリティ性の高い入退室管理を実現できます。
また、理化学機器(ヒュームフード)やデンタルチェア、医療機器では、IRによる非接触ジェスチャー操作や静電タッチキー操作に加え、NFCを用いた使用履歴管理や使用者制限機能を付与することで、安全性と利便性を両立した次世代のインターフェースが可能となります。
このように、ガラスパネルへのIR印刷技術の活用は、単なるデザイン向上にとどまらず、医療・産業・住宅分野における新たな操作体系や認証システムを支える基盤技術として、大きな可能性を秘めています。

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