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コラム

2025年08月

コラムSTM32のI2C

2025年8月29日 

1.I2C通信

STマイクロエレクトロニクス社のSTM32F446マイクロコントローラに搭載されているシリアル・オーディオ・インタフェース(SAI)を利用した多チャンネル音声再生用オーディオ基板の制作で、アンプへの出力調整用にマイコンから制御が出来るMCP4451デジタルポテンショメータを使用しました。

マイコンからはI2C通信でコントロールするのですが、その時に発生したI2Cのトラブルについて紹介します。

※I2C:同期式シリアル通信のひとつで、周辺デバイスと通信する時によく使われる通信規格。

2.トラブル発生

マイコンのソフト作成には、STマイクロエレクトロニクス社が提供している開発環境のSTM32CubeIDEを使用しました。マイコンがI2Cマスターでポテンショメータ側はスレーブとするので、STM32CubeIDEのコンフィグ設定でI2Cはマスターを選択、通信速度などの他の設定をしてコンフィグレータを終了。STM32CubeIDEのコード生成でI2C通信関連のAPI関数などは作成してくれるので、生成されたAPI関数をそのまま使います。

ポテンショメータの設定に必要なコマンド等の部分のソフトを作成して実行すると、送信API関数からエラーが返ってきてI2Cの通信が開始されませんでした。

送信API関数の内部まで調べてみると、ステータスがビジーとなっていて関数から返っていることが分かり、さらに詳しくレジスタ辺りを見てみると、通信が始まっていないのにステータスレジスタ2(I2C_SR2)のBUSYフラグがONでした。

マイコンはI2Cマスターのはずなのに、I2Cバス内で通信中状態になっていたのです。

3.レジスタの設定順序

STマイクロエレクトロニクス社のサイトを検索してみると、I2C端子の設定方法についての記事を見つけました。

その記事の内容は、I2C関連の各レジスタの設定には順序がありそれを守らないと通信が始まっていないのにビジーになる、というもの。

STM32CubeIDEが生成したI2C初期化関数の内容も、記事の順序でレジスタの設定しているようでしたが、念のためレジスタ設定関数を作り実行。

これで上手く動作すると思ったのですが、結果は同じで各レジスタの設定後にI2Cのクロックを有効にした直後にステータスレジスタのBUSYフラグがONになってしまいます。同じオーディオ基板上にあるDACモジュールともI2Cでつなげており、同じI2C通信用のAPI関数を使って通信していますが、こちらは正常に動作しているので、ポテンショメータとの間で何か不都合が起こっているようです。

4.I2C通信関数の自作

I2C端子の信号の状態などを調べて調整しようと思ったのですが、まずソフトで対応したみることにし、マイコンのI2C機能を使う事を諦めて、I2C端子を通常のGPIOとして使ってI2Cの通信部分を自作することにしました。マイコンのGPIOを操作するAPI関数を使ってシリアルクロック(SCL)とシリアルデータ(SDA)の端子からON/OFFを出力します。

ソフトでスタートコンディションやストップコンディションの状態を作り出してデータを送受信します。スレーブからのACKやNACKの確認やデータの受信の時は、SDAの端子を入力側に切替えて受信します。SCLとSDAのON/OFFの出力切替えのタイミングは、サイクルカウンター(DWT)を利用しました。

ポテンショメータとの通信が正常に行え、情報の取得と設定がうまく出来ましたのでこのまま自作関数を使うことにしました。

5.あとがき

もっと良い方法があるかとは思いますが、今回はソフト面での対策となりました。STM32CubeIDEなどのツールが生成する関数などは、作成時間の短縮にもなり便利なのですが、頼り切ってしまうとその関数でトラブルがあった時は困ることになります。扱うデバイスの仕様や通信プロトコルなどを理解して、自分で実装出来ることも重要だなと思いました。

本文中にあったSTM32のシリアル・オーディオ・インタフェース(SAI)の機能を使った多チャンネル音声の再生機能についての話は、また後日機会があれば紹介する予定です。

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コラム布センサー評価キットのご紹介

2025年8月29日 

1:弊社が得意とする静電技術と印刷技術を組み合わせた「薄い!軽い!柔らかい!」を特長とする「布センサー」を現在開発中です。
今回この「布センサー」をお客様で手軽に評価いただけるキットを開発しました。

2:評価キットの概要
「布センサー」については既に過去のコラムやサイト上でも紹介していますが、
https://toyolabel.co.jp/column/?p=863
先日から幾つかの展示会に出展したところ、多くのお客様より問い合わせをいただいています。使用環境や検知対象はお客様によりそれぞれなので、このキットで自由に評価いただきたく開発しました。

  • 従来静電容量センサーは電子基板上のパターンや、印刷フィルムで電極を作っていました。「布センサー」は化学繊維に導電性インクを印刷する事により布の特徴を持った静電容量センサーを実現しています。
  • 本評価キットは元々、社内で使用していた「静電容量センサー標準基板」を基にしており、これを布センサー用バージョンとしてリニューアルしました。

3:評価キットの特徴

  • 本体とパソコンはUSBケーブルで、本体と布センサーもスナップボタンですぐに接続できます。
  • 付属のGUIソフトで反応をグラフ表示でモニタリングでき、確認しながら閾値やゲインの調整も可能です。
    更にログをCSVファイルで取得する事もでき、様々な検知対象や、設置環境で反応を記録する事ができます。
  • 拡張端子も備えており、センサー反応でトランジスタ出力や、リレーの接点出力が可能です。お客様側のシステムとも組み合わせてお使い頂けます。
  • 基板を小型ケースに収めていますのでコンパクトにお使い頂けます。

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コラム知恵と根性が集結!スクリーン印刷の裏側にせまる!

2025年8月27日 

「こんな形状、どうやって印刷すんの?」

ある日届いた試作依頼に、印刷現場は一瞬フリーズ…。

細かい凹凸もある立体的なシリコン製シートにスクリーン印刷!?

それでも「やってみよう」と動き出したのが、うちのメンバーのすごいところ。

スクリーン印刷は、緩やかな曲面でロゴ等のワンポイントであれば、立体物にも直接印刷することも可能ですが、一般的には平坦な表面が対象で、版と印刷面が密着することでインクの転写がおこなわれます。

今回の印刷物は不連続な立体や細かい凹凸がある、且つ、ワンポイントではなく全体に印刷する必要があり、技術的にかなり課題の多い試作となります。

たとえばどんな課題があるのかというと、

▽インクが綺麗に乗らない

▽高低差によって圧力が均一に加わらないため、インクが滲んだり、流れたりする

などなど・・・。

普段、加飾印刷に関わることはあまりないのですが、今回は開発部でインクを選定したこともあり、コラムのネタにさせていただきました。

それでは、早速印刷現場へ行ってみましょう!

―――――-----‐‐‐‐‐‐

印刷現場へ行くと、何やら人だかりが。

メンバー全員が集まって、この部分にはインクが乗ってないなぁ、ここは逆にインクが滲んでるなぁ、等々、あーでもないこーでもないと話し合いながら、最良の条件を考えています。

今回の試作では、2人がかりの手刷り作業をおこなうので、“力のかけ方やスピード、呼吸を合わせる”ところが難しいそうです。

(1人では体重が乗らずに上手く印刷ができないため、2人でおこなう必要があるとのこと。)

※印刷する柄は消しております。

刷り方だけではなく、スキージの種類や印刷版の材質、印刷条件等、いろんな手法を試しながら、何度もチャレンジを繰り返し、ようやく出来上がった試作品はまさにチームのこだわりの結晶。

お客様にも喜んでいただくことができました。

難易度はかなり高かったけど、なんだかんだ楽しかった。

そういうものづくりを、これからも大切にしたいなと思います。

難しいからこそ、やりがいがある。

そんなひとつひとつの積み重ねがきっと次の技術につながっていくはずです。

正直、コラムのネタのために無理やりお邪魔した感は否めませんが、気づけば心温まるドラマの一員になっていました。

(このコラムは、開発部R.T. が担当しました。)

(製造部スクリーン印刷チームのみなさまにご協力いただきました。)

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コラム加飾転写シールの種類と特徴

2025年8月22日 

加飾転写シールとは、絵柄や模様をシールのように貼り付けて装飾できるアイテムのことです。一般的な印刷シールと異なり、貼り付け後は台紙が残らず、デザイン部分だけが転写されるため、美しい仕上がりが得られるのが特徴です。

加飾転写シールのメリットとデメリット

メリットは、立体や箔押し風など通常の印刷では表現が難しいデザインを手軽に再現できることです。また、凹凸の少ない面に貼ることで、高級感のある仕上がりになります。一方でデメリットとしては、貼り付け時に気泡が入ると仕上がりに影響が出やすいこと、一度貼ると安易に剥がすことができないことです。

加飾転写シールが選ばれる理由

製品やパッケージに高級感を加えるため、あるいは記念品や限定品のデザインにアクセントをつけるために採用されるケースが多いです。貼ることが簡単なので、気軽に特別感を出せる点が魅力です。

シールの表面処理(箔/金粉)

金箔や銀箔、ラメや金粉をあしらったタイプも存在します。これにより光の当たり方で表情が変わり、見る人に強い印象を与えられます。高級パッケージや化粧品、ノベルティなどに多く利用されています。

印刷方式

シルクスクリーン印刷

加飾転写シールの製作には、シルクスクリーン印刷を用いています。スクリーン版と呼ばれる網目状の版を使い、インクを押し出すことでデザインを形成する方式です。インクに厚みを出せるため、高級感を演出したいシールには適した方法です。また、耐久性が高く、水にも強いという特徴もあります。

加飾転写シールの貼り方ガイド

準備するものと貼り付け作業

必要なものは、シール本体、きれいな布やクリーナーです。貼る前に必ず対象物の表面を清潔にし、油分やホコリを除去することが綺麗に貼る秘訣です。

具体的な貼り方

  1. 貼り付けたい場所にシールを仮置きする
  2. 上から指やヘラで均一に圧力をかけながらこすりつける
  3. ゆっくりと台紙を剥がし、デザインだけを残す

この流れで、美しい仕上がりを得られます。

貼り方のコツと注意点

・気泡を防ぐため、中心から外に向かって押し出すように貼る
・被着体をアルコール等で拭き油分を除去する

よくある質問と回答

Q. 一度貼ったシールは剥がせますか?
A. 基本的に再利用はできません。貼り直しが難しいため、慎重に作業することが重要です。

特定素材への貼り付け適否

Q.どんな被着体が貼るので適していますか?

A.ガラスや金属、プラスチックなど平滑な素材には適していますが、布やざらついた面には不向きです。事前に小さな箇所でテストすると安心です。

まとめ

加飾転写シールは、印刷では難しい表現を手軽に実現できる便利な装飾手法です。特に金箔や金粉を用いたシールは高級感を演出でき、製品やパッケージに独自の価値を加えることができます。

貼り方自体はシンプルですが、貼り方に仕上がりを左右するポイントが多くあります。用途や素材に合わせて正しく選び、丁寧に施工することで美しい状態で貼れ御社の商品を際立たせます。

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