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コラム

2026年04月

コラム痕跡を読み解く ――― ものづくりを支える分析

2026年4月27日 

開発部という立場で製品を扱っていると、

製品に起こった事象「不適合やクレーム」に対して「分析」をする場面に出会うことがあります。

「不適合やクレーム」というとネガティブな印象がありますが、

今回は「分析」という側面に焦点を当ててみます。

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【分析の面白さは『帰納法』】

「評価」(信頼性試験や材料評価)は、「この条件であれば、こうなるはず」という『演繹法』が主役です。

一方で、「分析」は、

✔ 残った痕跡,事象

✔ 形状や分布

✔ 周囲の環境条件

✔ 過去の知見との比較

などなど…

こうした「観察された事実」を積み上げて、「原因」を推定していく、『帰納法』の世界です。

「過ぎた過去を、残された痕跡から読み解く」と表現すると、なんだかちょっと面白そうに感じませんか。

【ある分析の一例】

お客様より、「ショートしているのでは?」と戻ってきた製品、当社で動作確認すると、問題ない様子…。

✔ 事象:ショート様相から良品相当に変化?

✔ 使用環境:湿度の高い環境で、約7年使用

✔ 形状:配線間に一本の線でつながったような痕跡あり

✔ 分布:SEM,EDSによる組成分布の確認

これらを総合的に確認した結果、

「イオンマイグレーションが発生し、析出した銀が剥がれ落ちた」

という推測にいたりました。

(マイグレーションは平面に沿うとは限らず、条件が整えば立体的にも成長するため、剥がれ落ちることもあります。)

「過ぎた過去を、残された痕跡から読み解く」ことができたんです!

分析の面白さ、伝わるでしょうか。

【ちなみに、イオンマイグレーションとは…】

イオンマイグレーションは、

「湿度 × 電圧 × 電解質(金属イオン)」という、「悪条件の三重奏」で起こります。

そして、一般的には銀で起こりやすい事象として知られています。

湿度の高い環境で、電圧差があると、

イオン化した銀が結晶のように析出して、電圧のかかっている反対側へ寄っていく現象です。

まるで、つららのように、細い橋のように、銀が伸びていきます。

でも実はこの銀のつらら、 ずっと伸び続けるわけではありません。

製品中の銀の量も、移動できる経路も、析出できる場所も、どこかで飽和状態となり(サチり)ます。

銀が無限に湧いてくるわけではありません。

(もし、銀が無限に成長するとしたら…、昨今の銀高騰のなか、現代の錬金術!?それはそれで興味深い話ですが。)

さらに、成長が止まる理由は、物理的な量の問題だけではありません。

エネルギーのバランスという視点でも説明できます。

金属イオンが移動して析出するには、

✔ 電界による「押す力」

✔ 湿度による「溶けやすさ」

✔ 析出する際の「形状の安定感」

こうした複数のエネルギーが関わっています。

エネルギーは「偏りすぎた状態」を嫌って、どこかで落ち着こうとします。

たとえば、塩をふったキュウリから水が出てくるのも、濃度差のバランスを取ろうとする浸透圧の働きです。

銀の析出も同じで、どこかで「これ以上伸びてもエネルギー的に得じゃない。エネルギーを消費するだけ。」というところで落ち着きます。

もし、いつまでも銀が伸び続けるとしたら、それはエネルギーの法則を無視したSF映画の世界ですね。

開発部のわたしとしては、

設計パターンから外に飛び出して、落ち着いてしまったAgイオン達の気持ちを聞いてみたい気分になります。

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【分析は技術を深めるプロセス】

今回は、分析の一例として、イオンマイグレーションの例を挙げました。
分析結果は、原因追究を経て、対策へとつながり、当社の技術レベルの深耕にも寄与します。

「分析」は、原因追究であると同時に、「技術を深めるプロセス」でもあるのです。

小さな痕跡をたどるたびに、技術は少しずつ深まっていきます。 その積み重ねが、次のものづくりを支える力になります。

不具合であれ、開発の過程であれ、ひとつひとつの事象を丁寧に分析し、理解し、次の技術へつなげていく。

その地道な積み重ねが、当社のものづくりを支える確かな土台になっています。

(と信じて、日々精進しています。)

(このコラムは、開発部C.H. が担当しました。)

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コラム【Medtec Japan 2026 出展】静電容量×湿度 見守りセンサー

2026年4月3日 

― カメラに頼らない、尊厳を守る次世代の見守り ―


1. 「見守りたい、でも映したくない」その葛藤を解決する

医療・介護現場において、転倒防止や体調急変の検知に「見守りカメラ」は有効な手段である。
一方で、ベッドルームやトイレといったプライベート空間における映像監視は、利用者の尊厳を損なう懸念がある。さらに、布団の中や身体の下といった“見えない領域”は、カメラでは把握できないという本質的な課題も残る。

当社が提案するのは、「映さずに見守る」という新しいアプローチである。
布そのものにセンシング機能を持たせることで、カメラに依存しない見守りを実現する。


2. 面で捉える「静電容量×湿度」マルチセンシング

独自のスクリーン印刷技術により、布・不織布といった柔軟基材へ直接センサーを形成。
1枚のシートに「静電容量」と「湿度」の2つの検知機能を融合させた。

これにより、視覚情報では捉えきれない変化を“面”で検知する

  • 静電容量センサー
    体動や離床をリアルタイムで検知。在床/離床の把握に加え、寝返りや長時間同一姿勢も検出し、転倒・転落防止や適切な体位変換のタイミング把握に寄与する。
  • 湿度センサー
    布団内部の蒸れや排泄による湿度変化を直接検知。褥瘡リスクの低減や、介助タイミングの最適化を支援する。
    これまで見過ごされがちであった利用者の不快な状態を可視化し、適切なケアにつなげることで、快適な療養環境の実現に寄与する。

3. 自然に溶け込む使用感がもたらす快適性

本コンセプトの特長の一つは、“センサーの存在を感じさせない”点にある。
ベッドや車椅子の座面に敷設しても、利用者の日常に自然に溶け込み、違和感なく使用できる。

  • 柔軟性と快適性
    従来のフィルム型センサーに見られるゴワつきや異物感がなく、自然な使用感を実現する。 また、静電容量と湿度の2つの検知機能を1枚のシートに集約することで、複数のセンサーを個別に設置する必要がなくなり、よりシンプルで違和感のない使用環境を実現する。
  • 快適な療養環境への貢献
    利用者の状態変化を捉え、適切なケアにつなげることで、快適性の向上に寄与する。
  • プライバシー保護
    画像情報を一切取得しないため、利用者および家族への心理的負担を排除する。
  • 衛生性と運用性
    スクリーン印刷による製造プロセスによりコストを抑え、感染症対策としての使い捨て運用にも対応可能である。

【Medtec Japan 2026 展示内容】

会期:2026年4月21日(火)~4月23日(木)10:00~17:00
会場:東京ビッグサイト(東展示棟 東7ホール小間番号:1203)

当日ブースでは、

「静電容量センサー」と「湿度センサー」が一体化したマルチセンサーをご覧いただけます。

本展示はコンセプトモデルによる提案であり、製品化を見据えた検証段階にあります。

そのため、さまざまな活用シーンについて、来場者の皆様と意見交換できればと考えています。

現場の課題やご要望なども、ぜひお気軽にお聞かせください。 皆様のご来場をお待ちしております。

【来場登録(無料)】

下記URLから、ご登録をお願いいたします。

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(このコラムは、開発部H.G. が担当しました。

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